訪問介護職の従事者4・5%減少、制度発足後初めて
2006年の訪問介護職の従事者数が、前年比で4・5%減少したことが、厚生労働省が3日公表した介護サービス施設・事業所調査でわかった。
訪問介護職員数が減ったのは制度が発足した2000年以来、初めて。景気回復に伴う人手不足などが原因と見られる。
調査によると、2006年10月の訪問介護職の従事者数(常勤換算、介護予防事業含む)は17万6527人で、前年同月(18万4858人)に比べて4・5%減少した。
訪問介護を巡っては、2006年4月に、介護予防が導入されたため、軽い人の訪問介護利用が制限された。また、景気回復に伴い、介護職の中でも、低賃金や激務が問題になっている訪問介護職が敬遠されたことや、介護報酬切り下げに伴う採算の悪化で、事業主が職員を減らしたなどが理由として指摘されている。
このほか、訪問入浴の従事者数も9580人で、前年同月比12・9%減だったが、特別養護老人ホームやデイサービス施設などの従事者数は増加していた。
介護保険をスタートさせるにあたり、
大きな問題であった介護を支えるマンパワーは順調に拡充されてきたものの、
介護報酬が切り下げられることにより、ホームヘルパーの労働環境はますます悪化し、
安定した雇用の実現とも程遠い状態です。
ゴールドプラン21では、平成16年度までに
ホームヘルパーの数を35万人にまで増やすという目標が掲げられていました。
現在、それとはまったく反対の方向へ向かっていってしまっています。
介護報酬を設定する時点で、このような事態になることはもちろん容易に想像ができたはずです。
サービスの量を確保することをまず第一に取り組まなければいけないところを、
財政の問題と、ヘルパーの質の問題を同時に解決しようとすれば、こうなるのは目に見えていそうなものです。
何が一番問題なのか、焦点がブレることのない一貫性のある政策を期待したいものです。
まずは適正な介護報酬と、安心して働ける労働環境の整備を。
All About Japanの記事に、介護職の待遇改善のためにできること、という記事がありましたので、ぜひご覧ください。
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