制度悪用し生活保護費詐欺、介護タクシー会社役員ら逮捕
札幌市のタクシー会社役員らが、生活保護受給者が通院時に利用したタクシー料金の補助制度を悪用して生活保護費をだまし取っていたとして、道警は19日、介護タクシー会社「飛鳥緑誠介(あすかりょくせいかい)」役員、板倉信博容疑者(57)(札幌市北区)ら3人を詐欺の疑いで逮捕した。
板倉容疑者らは、通常のタクシー料金に加えて「特別車両費」など架空費用を次々と計上する手口で請求額を水増ししており、昨年5月から始まった不正受給の総額は2億円近くに上るとみられる。
ほかに逮捕されたのは、同社社員の小向敏彦容疑者(40)(札幌市白石区)と、生活保護を受給していた無職片倉ひとみ容疑者(37)。
調べによると、板倉容疑者らは、実際にはタクシーの利用がなかったのに、片倉容疑者らが通院のため、滝川、札幌両市間を数往復したとして滝川市に運賃を請求。今月9日に150万円を不正受給した疑い。
「搬送用の担架を装備した専用車を使用」「急病で深夜に呼び出された」などの名目で特別車両費や深夜料金なども上乗せしており、多い時には市から1か月当たり約1700万円のタクシー料金を受け取っていたという。
市からの給付金は、代金を立て替えたタクシー会社に支払われる仕組みだが、板倉容疑者らは滝川市から、タクシー会社の法人名義口座ではなく、同容疑者らが自由に管理していた元会社関係者の個人名義の口座に入金させていた。このため道警は、板倉容疑者らが、市の審査体制の甘さなどを悪用して、犯行を続けていたとみて調べている。
口座に入った金は分配していたとみられ、道警は口座からの出金状況などを詳しく調べている。
不正受給の例はこれまでも数多くありましたが、
こういった小規模の介護タクシー事業者で2億円もの額を騙し取るというのは驚きです。
要は、いかにチェックが甘いかということです。
これに関して。
道の担当者は医師の意見書なども確認した上で、書類上は生活保護法が定める支給条件を満たしていると判断。「札幌に近い地域に転居してもらうなどの手段がないなら、(多額の移送費の支払いも)仕方がない」などと回答したという。
道は当時の判断について、「事件性があるとは考えておらず一般の事例と考えた」(保健福祉部)とし、結果的に道も市も片倉容疑者への多額な支給を認識しながら歯止めがかけられなかった。
一般的な事例として考えられる範囲なのか、少し考えればわかりそうなものですが。
本当に必要としている人が本当に必要としているサービスが適正に受けられるためには、
まだまだチェックが不足しているのでしょうね。。。
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