この記事の目次
施設入所している次男を包丁で切りつける
大学職員が殺人未遂 「介護から解放されたかった」
仙台市の大学職員の男が30歳の次男を包丁で切り付けて殺害しようとしたとして逮捕されました。
殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、仙台市宮城野区の大学職員・田口睦夫容疑者(62)です。警察によりますと、田口容疑者は12日午後6時半ごろ、仙台市若林区の空き地に止めた車の中で30歳の次男の首を包丁で切り付けて殺害しようとした疑いが持たれています。次男は命に別状はありません。次男は重い障害があって施設に入所していますが、お盆で実家に帰ってきていたということです。田口容疑者は「介護から解放されたかった」と容疑を認めています。
なぜ?と思う方も多いニュースなのではないでしょうか。
施設入所している30歳の障碍者を親が殺害未遂。
入所中なのに、「介護から解放されたかった」と供述する父親。
だったら盆休みに帰省をさせることないんじゃないか、施設入所しているのであれば介護からは解放されているんじゃないか、と考える人が多いのではないでしょうか。
親亡き後の問題とは
施設に入所したからといって、家族はすべてから解放されるわけではなく、家族にも役割が残されます。
お金の管理や契約行為や医療に関する同意など、本人が行うことのできない行為に関しては家族がまだ対応しているという方も非常に多いです。成年後見制度を利用したとしても、家族が対応している方も少なくありません。
親子とも年齢を重ねていけば、多くの場合、先になくなるのは親の方です。親亡き後に、残される「きょうだい」に負担がのしかかる場合があります。このケースの場合は、次男ということなので、長男がそういった負担を担わなければいけないのではないか、といった問題があります。
ほかの子供たちに負担を残したくないという思いがあったのかもしれません。
そして、施設に入所してもなお、介護から解放されないと感じていたのでしょう。
こういった障害を持った人の家族を支える取り組みについては、成年後見制度も含めて未成熟だと感じます。
最近のコメント