デンマークにおける入所施設でのスキャンダル:障害者の住みよい杉並をつくる会
今年の2月にデンマークのTVは、知的障害者を対象とした入所施設での生活に関する番組を放送した。一人のTV ジャーナリストが臨時ケア職員としてときどき放送された入所施設に勤務してきた。その時、このジャーナリストは隠しカメラを持参し、125時間も入所施設内部の撮影をしてきた。このフィルムには、施設内の一つの病棟における入所者達を驚くほど深く侵害する態度が撮影されていた。
フィルムによると、一人の入所者はたった一度だけアクティビィティに建物の外にでることができたそうだ。しかも、そのアクティビィティときたら、たった30分間の散歩だったのだ。このジャーナリストは、自分の日記に以下のように記している:“今日もまた、私たちは入所者のために何も特別にしなかった。同僚の一人が、今日はTV:2の「Deal no Deal」という番組を邪魔されないでみるために、皆を20時前には寝かしつけようと提案した。“
このフィルムでは、夜間専門職員が、ジャーナリストに、ある特定の入所者がベットでおねしょをしているかどうかはチェックしない方が良いとアドバイスしている。“チェックすれば、おむつ交換をしなければならないからさ。”
入所者の一人は、朝9時前に起床したのでまたベットに戻るように命令された。入所者は、そんなに朝早く朝食を食べられないからだ。しかし、職員達はコーヒーを飲んでいてもだった。
一人の入所者が床におもらしをしたので、ただちに自分で床を掃除するように命令された。
入所施設での虐待が暴露されたことにより、施設長は解雇された。また、国内で大きな論争が巻き起こり、いくつもの入所施設での不備が明らかになってきた。そのため、デンマークではより多くの人達が、ノルウェーとスウェーデンのように入所施設を解体するべきだと考えるようになった。
デンマークといえば、ノーマリゼーション発祥の地として知られ、
北欧の福祉先進国として、日本からも注目をされている国です。
そのデンマークでの入所施設で起こった虐待が報道されています。
福祉先進国であろうとなんだろうと、人はやはり人であることにかわりはないわけで、
日本では虐待があっても、北欧には虐待がないというのは大きな間違いで、
むしろ、北欧のほうが虐待の件数自体は多いといわれています(表面上は・・・)。
入所施設という環境が虐待に大きく影響していることもあり、
北欧を中心に、以前から入所施設解体は求められていました。
日本でも、さくら苑における虐待事件がスキャンダルされたように、
施設での虐待は大きな社会問題とされています。
が、このデンマークでの事件は、TVクルーが隠しカメラで撮影したものを放送するということから、
日本以上に、こういった施設での虐待に対する厳しい目を持っているという環境が違うのかもしれません。
日本でもこのような接遇(処遇?)が日常茶飯事のように行われている施設は少なくないと思います。
社会がもっと強い関心を持って、入所施設のあるべき姿を考えていかなければいけないですね。
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