義母殺害の主婦に猶予判決 「介護施設の不備が根底」
新潟県三条市で寝たきりの義母堀ナヲさん(83)を刺殺したとして、殺人罪に問われた主婦堀まり子被告(56)に対し、新潟地裁の大谷吉史裁判長は26日、ほぼ1人でナヲさんを介護していた堀被告が犯行当時、心神耗弱状態だったと認定し「介護施設の環境不備の問題が根底にある」と述べ、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。
大谷裁判長は、ナヲさんが老人福祉施設から定員の問題で継続入所を断られ自宅に戻されたことや、2004年7月の水害で自宅の移転新築を余儀なくされ、夫や3人の子どもがローン返済に追われて介護に参加できなかったことを指摘した。
判決によると、堀被告は今年2月7日、約1年半にわたる介護に疲れ、ベッドに横たわっていたナヲさんの胸を包丁で刺し、殺害した。
地裁には、堀被告への寛大な判決を求める2万通以上の住民らの嘆願書が提出されていた。
介護を社会化するといいながらも、
施設からの対処を余儀なくされ、受け入れる準備も不十分でも在宅生活を強いる。
これが福祉の姿かといえば悲しくなります。
施設は厳しくなる基準と費用負担のために、
高齢者にとっての最後の砦ではなくなっているのが現状です。
介護を必要とする高齢者とともに生活し、うつを抱えている介護者の数は非常に多いです。
「介護施設の不備」が殺人事件の要因となるのであれば、
これから高齢者を巡る殺人事件はますます増えていくかもしれません。
未然に防ぐために何もできなかったのか。
在宅で生活できると判断したのであれば、
ケアマネは、在宅サービスは、この事件を防ぐために何かアクションを起こせたのではないでしょうか。
かといって、殺人は殺人であることには変わりありません。
同情だけで片付けることのできない難しさがこの背景にあることを忘れてはいけません。
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