コムスン同業他社へ売却検討 全従業員も対象 折口会長「5、6社から打診」
訪問介護最大手コムスンが厚生労働省から指定打ち切りの指導を受けた問題で、コムスンが手掛ける介護事業を親会社グッドウィル・グループ(GWG)外の同業他社に一括譲渡する検討を表明したGWGの折口雅博会長は9日、約2万4000人の従業員全員もそのまま移す案を最優先に検討していることを明らかにした。
具体的な売却先については「まったく白紙の状態」とする一方、既に企業買収の仲介業者など5、6社から打診があることを明かした。今後コムスンの「受け皿」探しが本格化するが、介護ビジネスを取り巻く事業環境は厳しく、交渉は難航が予想される。
一括売却の理由について折口会長は「セーフティーネットの維持が重要」と述べ、利用者へのサービス継続を強調。全国の事業所網を維持したまま売却することが望ましいとの考えも示した。
コムスンは7日、グループ内別会社の日本シルバーサービスとの間で全事業を譲渡するとの基本合意書を締結。しかし、看板の掛け替えにすぎないとする厚労省は同日、譲渡の凍結を指導した。折口会長は8日、記者会見で「日本シルバーへの譲渡凍結」を表明。厚労省はグループ外の企業への譲渡は容認する方向で、「一歩前進」との見解を示していた。
昭和63年設立のコムスンは訪問介護や有料老人ホームなど、全国で計2081事業所(5月末現在)を経営。利用者は約6万5000人とみられる。一連の不適切な対応によるイメージダウンで従業員の離職や顧客の流出は避けられず、収益の一段の悪化も懸念される。譲渡先を探す過程で売却条件の擦り合わせは厳しいものになりそうだ。
この週末、報道番組に引っ張りだこだったグッドウィルグループの折口氏ですが、
あの常にテカテカギラギラしていた折口氏の顔もさすがに疲労感を漂わせています。
今後に向けてのいくつかの論点として、
ひとつは会長辞任についてですが、個人的にはあまり興味がないことなのでこれは省略するとして。
もうひとつは、譲渡先、受け入れ先の問題です。
報道番組等で繰り返し言われているのは、
コムスン以外の同業者で、真面目に介護をやっているところはいくらでもあるので、
グループ外の同業者に事業を譲渡するべきだ、というもの。
ですが、いまの日本の介護における最大の問題点は、人手不足なのです。
サービス利用者を譲渡しようにも、
それまでと変わらずサービスを提供できるだけの体力を持った企業がどれだけあるのか。
報道どおり、コムスンのホームヘルプが厳しいルート単価ノルマを設定していたとすればなおさらです。
そして、コムスンのセンターにはいわゆる過疎地と呼ばれる地域も多く含まれています。
全国展開をしている在宅介護企業はまだまだごく一握り。
こういった地方の介護事業は、移動時間の長さや人口密集度、労働者の確保など、
都心に比べて、きわめて非効率な事業となります。
非効率な事業を引き受けなければいけないデメリットがあることもひとつのネックとなりそうです。
金儲けのためだけに展開されていたというコムスンの事業を受け継ぐことで帰って非効率な利益体質になるというのも矛盾ですね。
受け皿探しは、報道番組で言うほど簡単なことではなく、極めて難航しそうです。
同じ不正をしていたニチイやジャパンケアが手を挙げるとは考えにくいし、
ツクイ、セントケア、やさしい手・・・、在宅介護で全国展開している介護企業は数えるほどしかない。
5、6社から受け入れの打診があったというのも疑わしい・・・。
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