コムスンの都内事業所、8割に報酬過大請求など問題点
「コムスン」が訪問介護事業所3か所で、東京都の事業所指定を不正に取得するなどしていた問題で、都の監査対象となった同社の都内186事業所中、約8割が、ヘルパーの不足や介護報酬の過大請求などの問題点を都から指摘されていたことがわかった。
都はこのうち、管理者の不在など介護保険法違反が明らかな16か所に対し業務改善勧告し、今月30日までに是正・報告するよう指導。介護保険の対象外のサービスについて介護報酬を請求したり、訪問介護計画を作成していなかったりした147か所に対しては、文書で介護報酬の一部返還などを求めた。
都によると、事業所指定を受ける際に、ほかの事業所のヘルパーを常勤職員とするなど虚偽の申請書を提出していたのは、銀座(中央区)、奥戸(葛飾区)、千歳船橋(世田谷区)の3事業所。都は介護報酬計4320万円を返還するよう指導。さらに、指定取り消し処分を内定していたが、監査結果を通知した先月23日に同社から廃止届が出されたため、処分を見送っている。
また、勧告の対象となった上石神井(練馬区)など16事業所では、同法で専従が義務付けられている管理者が複数の事業所を掛け持ちしたり、ヘルパーの派遣やサービス内容の点検を担当するサービス提供責任者が不在だったりしていた。
文書指導を受けた荒川(荒川区)などの147か所を含めると、大半の事業所で何らかの問題を指摘された形。都内の大部分の事業所で不適切な運営実態が明るみに出たことになり、都は同社に対し管理体制の見直しを求めている。
なんとコムスン都内186事業所の約8割に問題点の指摘があったそうです。
コムスンでは今後、事業所の統廃合を進めていくようですが、どうなることでしょうか。
介護保険のスタートにあわせるようにして急激に事業を拡大したものの、
大きな成果を上げることができずに大きな失敗を犯したコムスン。
その反省を生かし着実に事業を拡大してきたようにも見えたものの、
介護保険改正を迎えた今、その内部体制の問題点が浮き彫りとなりました。
コムスンは再び拠点の統廃合で拡大し続けてきた事業を見直していく必要に迫られたわけです。
果たしてこの逆境からもまた立ち直っていくのでしょうか。
そして、都が返還指導を行い、取り消し処分を行うはずだった3事業所を、
その前に廃止届けを提出して処分を逃れているという姿勢に対しても、
業界内からの批判を集めることになりそうですが。。。
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コムスンへ苦情「大変たくさん」…遺憾で済まされぬと都
大手事業者が激しい競争を繰り広げる中、横行していた虚偽申請や不正請求。
都は「リーディングカンパニーとしてとんでもない話だ。遺憾では済まされない」と批判した。
「コムスンに対する苦情は、都には大変たくさん来ている」。
都福祉保健局の梶原秀起・指導監査部長は、業務改善勧告を公表した10日の記者会見で、あきれた様子で語った。
同社は、自主廃業した3事業所以外にも、16事業所で、管理者やヘルパーの不足などを理由とした業務改善勧告を受けた。
同局によると「ヘルパーを派遣してもらう時間を変更しようとして事業所に電話をしたが、
いっこうに連絡がつかない」といった相談は、同社に関するものが際立って多いという。
都の指摘に対して、コムスンの親会社のグッドウィル・グループ(GWG)は同日午後、ホームページで
「コムスンに対する改善勧告について」とした見解を発表。その中で、都から虚偽申請と認定された人員不足について、
「申請から事業開始までに時間を要し、入社辞退や退職する者もいるため、齟齬(そご)が生じることもある」などと説明している。
しかし、この点について同局の篠田林歌・指導第一課長は、
「申請時から退職した職員の名前を使うなど、やむを得ない事情による欠員とはみなせない。
こちらもしゃくし定規に『欠員だから即、指定取り消し』と判断したわけではない」と述べ、
単純な過失とは言えないことを示唆した。
同社は3事業所を自主廃業したことについて、「ビジネスモデルの再構築のため、
事業所の統廃合を進めており、統廃合の予定事業所に含まれていた」とする。
これに対しても都は、このうち奥戸事業所(葛飾区)について、
約1か月前に廃業した東新小岩事業所の利用者を振り向けたばかりだったことを挙げ、
「普通の企業の感覚ではあり得ない」と指摘した。
さらに都は、樋口社長に対して「(廃業届は)社会から処分逃れと見られますよ」と忠告した際、
「介護事業者にとって『指定取消』の4文字はあまりにも重い十字架だ。
どうしても、出させてほしい」と突っぱねられたことも明かした。
都は、こうした経緯などから、同社の廃業届は処分逃れを目的としたものだったとの疑いを強めている。
読売新聞、かなり強気の記事を書いています。
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