障害者ケアホーム一時閉所 支援法導入で報酬減響く
飯田市松尾上溝でNPO法人「ひだまり」が運営する知的障害者ケアホーム「萌生」(ほうせい)が一時閉所に追い込まれ、県の知的障害者総合援護施設「西駒郷」(駒ケ根市・上伊那郡宮田村)から移って暮らしていた3人が、ショートステイ扱いで再び同施設に戻っていたことが5日、分かった。
昨年4月施行の障害者自立支援法で報酬が見通しを大幅に下回って経営を圧迫、入所者の世話を一手に引き受けていたスタッフ男性(49)が病気で入院し、後任を確保できなかった。同様の小規模ホームで経営難に陥いるところも出ており、障害者の生活拠点を大規模な入所施設から地域に移す国や県の取り組みは、このままだと壁にぶつかる懸念もある。
「萌生」が一時閉所したのは、3月19日。入所者の親たちはその数日前に、法人から「入院する男性のほかに代わる職員がいない。西駒郷に一時、ショートステイの形でお返ししたい」と告げられた。
同様に西駒郷から移ってきた同居人の2人は、食事などで介助がいらないが、他害、自傷の行為やパニックを起こすことがあり、24時間の見守りが必要。だが、昨年10月、新しく導入された支援法の市町村による入居者の審査で障害程度区分が従来より低く判定され、その結果、国や県からホームへ支払われる額が下がった。
「萌生」の赤字額は毎月数10万円。「ひだまり」は、介護など法人のほかの事業収入で補ってきたという。
スタッフ男性は、ほぼ毎日泊まりを勤め、夜間に最低5回のおむつ交換や見回りをこなしていた。昼間、介護の仕事の合間を縫い、車の運転席でわずかに仮眠を取ることもあったという。男性は「人員態勢を整え、再開したい。だが、続けていくには、収入保障がなくては。法人も努力はしたが、見通しがつかない中、休止せざるを得なくなった」と話している。
障害者自立支援法の導入は、障害をもっている人の生活に大きな打撃を与えています。
このケースでは、生活の場そのものを維持することができなくなったわけです。
もちろん、生活の場を守る責任を果たせなかった法人にも大きな責任はあります。
今までの枠組みと同じように考えていては、
収益も出せないし、事業の継続性も確保できないわけですから、
事業を安定して継続できる運営を考えていかなければいけません。
どうも、この障害者ケアホームは入居者が3人だけだったようで、
24時間見守りが必要だといっても、入居者の数の見直しもすべきだったのではないでしょうか。
まぁ、高齢者グループホームの感覚で考えたら
入居者3人で事業を継続すること自体ありえないわけですけど・・・。
社会福祉法人の経営感覚が問われそうですね。
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