制限される移動の自由。

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移動介護費の上限設定、違法 「裁量権逸脱」と東京地裁

 東京都大田区が障害者支援費制度で定められた移動介護費に上限を設ける要綱を定めたため、介護費を実質減額されたとして、身体障害者の男性が減額分の支給などを求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。杉原則彦裁判長は、区の処分について「社会通念に照らして妥当性を欠き、裁量権を逸脱している」と述べ、違法と認めた。ただ、支給の根拠とされた身体障害者福祉法の規定が廃止されたことから訴えの適格性がないとして請求そのものは退けた。
 訴えたのは、鈴木敬治さん(54)。脳性まひでで身体障害1級の認定を受け、外出する際は車いすの介護が必要だ。
 大田区は03年7月に要綱で移動介護費について上限を設定した。それ以前は、鈴木さんは1カ月あたり124時間分の移動介護費を支給されていたが、要綱で32時間の上限が設定され、差額分が認められなくなり、「移動の自由を侵害された」として提訴した。
 判決は「支給が激減する事態は身体障害者福祉法の趣旨に反する」と指摘、健常者を基準に上限が設定された点についても「合理性を見いだすのは困難だ」と述べた。
 移動介護費は身体障害者福祉法の規定の廃止に伴い、現在は10月本格施行の障害者自立支援法に基づいて支給されている。

自治体側との足並みが大きく乱れた旧制度をめぐっての判決ですが、
自立支援法に移行してからは自治体の裁量権が大きくなり、
事実上、移動の自由は制限されてきていると考えても間違いはないわけです。
障害を持った人の移動を円滑にするために、
ハード面の整備などは法律を中心に厳しく設定されているのにもかかわらず、
街には車椅子の方がまるで出て行けない社会になってしまうというのも、
あながちありえない話でもなくなってきたような・・・。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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