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【居宅介護支援】生活援助が多いプラン、回数が正式決定 10月から届け出義務化
具体的にどれくらいの頻度でサービスを入れると対象になるのか? これで正式決定となった。
訪問介護の生活援助を多く位置付けたケアプランの市町村への届け出を義務付ける居宅介護支援の運営基準の見直しに向けて、厚生労働省は2日、実際に届け出なければいけない1ヵ月ごとの回数を告示した。利用者の要介護度によってそれぞれ異なる。表にまとめた。適用は今年10月1日。厚労省の狙いは、地域ケア会議などで取り上げて内容をじっくりと検証してもらうこと。より良いアプローチがないか多職種で話し合ったうえで、必要に応じて改善を促したり助言をしたりするよう市町村を指導している。生活援助を過剰に提供している事例があるのではないか −− 。そう問題を提起する財務省などが、給付費の適正化につながるとして実現を迫っていた経緯がある。
届け出の対象となるのは、統計的に通常の頻度を大きく超える生活援助を盛り込んでいるケースだ。厚労省は以前から、生活援助の利用回数が「1ヵ月あたりの全国平均+2標準偏差」を上回るケアプランとする考えを示していた。今回告示した回数は、直近1年間の全国の給付実績を基に算定したという。3月に案を公表し、パブリックコメントの手続きにかけていた。
今年10月以降、該当するケアプランを作成・変更した居宅のケアマネジャーはすべて、翌月の末日までにそれを届け出なければいけない。施行後、最初の届け出の期限は11月30日となる。
以前にも紹介していた訪問介護サービスのうち、
調理や買い物・掃除・洗濯といった家事の支援を行うサービスである生活援助の利用回数制限を行うことがすでに決まっていましたが、
具体的な利用上限の回数が示されました。
今回示された上限回数は以下になります。
要介護1 | 27回 |
---|---|
要介護2 | 34回 |
要介護3 | 43回 |
要介護4 | 38回 |
要介護5 | 31回 |
要介護度ごとに回数が設定されています。
この回数については、このような根拠で定められています。
直近の1年間(平成28年10月~平成29年9月分)の給付実績(全国)を基に、各月における要介護度別の「全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)」の回数を算出した上で、要介護度別に最大値となる月の回数を用いることとし、要介護状態区分に応じてそれぞれ1月あたり以下の回数とする。
要介護3の方が一番多く43回。
要介護4や要介護5の方はどちらかというと同居家族がいる場合も多く、
訪問介護では身体介護の割合が高い傾向があるものと思われます。
では、例えば要介護1の利用者の場合はどのくらいのサービスが利用できるかというと
生活援助を27回/月の利用が上限となります。
一週間にするとおよそ6回程度の利用となります。
身体生活は該当するの?
ちなみに、この上限の回数に該当する生活援助ですが、
いわゆる身体生活という身体介護の後に生活援助を行うサービスに関してですが、
これは該当しないようです。
⑲ 居宅サービス計画の届出(第 18 号の2) 訪問介護(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成 12 年厚生省告示 第 19 号)別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 訪問介護費の注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護に限る。以下この⑲において同じ。)の利用回数が統計的に見て通常の居宅サービス計画よりかけ離れている場合には、利用者の自立支援・重度化防止 や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくこと が適当である。このため、基準第 13 条第 18 号の2は、一定回数(基準第 13 条第 18 号の2 により厚生労働大臣が定める回数をいう。以下同じ。)以上の訪問介護を位置づける場合に その必要性を居宅サービス計画に記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならないことを規定するものである。届出にあたっては、当該月において作成又 は変更(⑯における軽微な変更を除く。)した居宅サービス計画のうち一定回数以上の訪問 介護を位置づけたものについて、翌月の末日までに市町村に届け出ることとする。なお、こ こで言う当該月において作成又は変更した居宅サービス計画とは、当該月において利用者の 同意を得て交付をした居宅サービス計画を言う。 なお、基準第 13 条第 18 号の2については、平成 30 年 10 月1日より施行されるため、同 年 10 月以降に作成又は変更した居宅サービス計画について届出を行うこと。
(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(抄)より抜粋)
訪問介護費の注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護というものが何かというと、
居宅サービス介護給付費単位数表で
注3にはこのように書かれています。
ロについては、単身の世帯に属する利用者又は家族若しくは親族(以下「家族等」という。)と同居している利用者であって、当該家族等の障害、疾病等の理由により、当該利用者又は当該家族等が家事を行うことが困難であるものに対して、生活援助(調理、洗濯、掃除等の家事の援助であって、これを受けなければ日常生活を営むのに支障が生ずる介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第8条第2項に規定する居宅要介護者に対して行われるものをいう。)が中心である指定訪問介護を行った場合に所定単位数を算定する。
つまりは生活援助のサービスですね。
もう少し読み進めていくと、注5にはこのように記載されています。
身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所時間20分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を行ったとき(イ(1)の所定単位数を算定する場合を除く。)は、イの所単位数にかかわらず、イの所定単位数に当該生活援助が中心である指定訪問介護の所要時間が20分から計算して25分を増す位(210単位を限度とする。
)を加算した単位数を算定する。
つまりこれが身体生活の身体の後に続く生活援助の内容ですね。
今回の利用回数制限に該当するのは注3に限るとしていますので、
注5の身体生活は利用回数の制限に該当しないという解釈になります。
なんか訪問介護の事業所がやたら身体介護をくっつけたがるようになったりするかもしれませんけど。
上限を超えるプランには地域ケア会議が必要
上限を超える必要がある場合は地域ケア会議が必要になるようで、
特定事業所集中減算のときもそうでしたけど、
地域ケア会議をそんなことのために使うなと言いたい。
そもそも国ももう地域ケア会議にあまり期待していないんだろうなと。
上限を超えても生活援助を受けられる方法
ついでに、定期巡回随時対応型訪問介護看護にはもちろん上限なんてありません。
まるめの月額固定報酬ですから。
いくらでも使えるとは言いませんが、少なくともこの上限回数以上の訪問を受けることはできるでしょう。
もちろん、そういう意味では小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護もそうですね。
まあ、小規模多機能は基本的には訪問は通所を補完する役割くらいで、あまり訪問しない事業所も多いので、そんなことをするところはないと思いますけれど。
国は定期巡回をどんどん広めていきたいようなので、そんな方法もありなんですかね。
それで限度額内で使えるサービスが限られてしまうと・・・。
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