藤沢で『介護疲れ殺人』 悲劇また…今月3件目
「介護に疲れた。妻を殺し、自分も死のうと思った」-。藤沢市長後で十四日起きた殺人事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された山口清容疑者(73)は、県警の調べに、こう供述したという。「介護疲れ」によるとみられる事件は今月、県内で三件目となった。県や社会福祉協議会は「家庭内での複雑な要因が絡み、対策は難しい」と“特効薬”を見いだせずにいる。悲劇を防ぐ手だてはないのか。
藤沢北署の調べでは、山口容疑者は、殺害した妻の系子さん(73)と二人暮らし。系子さんは五年前に心臓を手術し、二年前からほぼ寝たきりだった。週二回、ヘルパーを頼んでいたが、介護や家事は山口容疑者がほぼ一人でこなしていた。
系子さんは一週間前から体調を崩し「殺してほしい」と漏らしていたといい、十四日早朝もそう訴えたとされる。山口容疑者はバットで系子さんの頭を殴った後、ノミで胸を刺した。系子さんは病院に運ばれ、死亡が確認された。
厚生労働省研究班が昨年六月、民間の在宅介護を利用する家族を対象に行った調査からは、家族介護の深刻な実態が浮かび上がる。
介護者が六十五歳以上の「老老介護」では、介護者の三割以上が「死にたいと思ったことがある」と回答。さらに高齢者を介護する家族の四人に一人が軽度のうつ状態だったという。
県内では五日に横浜市神奈川区で認知症の父親(72)を殺害した容疑で、無職の三男(35)が逮捕された。七日にも同市金沢区で寝たきりの母親(84)とパーキンソン症候群の弟(55)を介護していた会社員男(57)が、弟を殴って死亡させる傷害致死事件が起きている。
自分も横浜市民として見過ごすことのできないニュースですね。
大きな共通点として、いずれも加害者は男性であるということです。
その経験上、介護のストレスの大きさへの耐性が備わっていない男性が
第三者から見れば身勝手とも思える介護殺人を起こしてしまう傾向が読み取れます。
老老介護のケースでは、介護のストレスだけでなく、
それまで家のことを妻に任せきりにしていたことのツケも払わされる事態に追い込まれてしまうわけですし、
比較的閉じこもりやすい傾向の強い高齢男性が愚痴をこぼす相手を見つけることのできないまま、
そのストレスを溜め込むなど、さまざまな要因が考えられます。
介護殺人と呼ばれるその行為に同情する傾向が多く見られますが、
これは間違いなく身勝手な殺人であり、許されるべき行為ではないことを深く認識しなければいけませんね。
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