今回、財務省は介護報酬改定マイナス6%以上という提言のほか、こんな爆弾も落としています。
財務省が示すケアマネへの衝撃提言
実は、今回の財務省の提言内では、ケアマネに対する驚くような案も示されています。まず前提として、介護保険サービスに営利法人が多く参入している現状を取り上げつつ、「介護報酬を下回る価格設定をしている事業者はほとんどなく、価格競争が行われていない」と指摘しています。そのうえで、「サービスの質を確保しつつ、確実に価格競争が行なわれるしくみを構築すべき」としています。
問題なのはその後で、「たとえば」としたうえで、「ケアプラン 作成にあたり、ケアマネに価格の考慮を義務付ける等が考えられる」と述べています。あくまで財務省側の意見に過ぎませんが、「価格考慮(安いサービスから 優先的に使う)」などは、ケアマネジメントのあり方を大きくくつがえしかねない提言です。
これまで、介護保険では価格競争が禁止され(福祉用具は例外ですが)、法定価格となっておりました。
介護保険制度が導入されるにあたって、市場原理を取り入れることにはなりましたが、
価格競争は公的制度のサービス提供にあたって質の低下や制度への信頼性を失う懸念から遠ざけられてきました。
そこに、突然降ってわいたかのように、価格競争を行うとかなんとか。
まぁ、1年後は、こんなイメージになるでしょうか。
ある村に、ふたつのデイサービスがありました。
自立支援を促すために個別の運動機能の向上プログラムを作成し、専門職を配置し、要介護度の改善など結果を残して加算などの評価も得ているA事業所と、
人員配置基準もぎりぎりで、運動プログラムもお風呂もなし、食事は弁当持参か近所の弁当屋に注文する、その代り費用が安いB事業所。
ケアマネは相談に来たXさんに事業所を紹介しようとしていますが、横やりが入ります。
厚労省「自立促進のために評価の高いA事業所を使いなさい。」
財務省「価格の安いサービスから使うのが当然じゃないですか。B事業所を使いなさい。」
ケアマネ「・・・」
そもそも財務省の発言でおかしいのは、ケアマネが事業所を選ぶんじゃなくて、情報をもとに利用者が選択するんですけどね。
近い将来、介護度の改善での成功報酬をつけることなども議論されているわけで、
サービスの価値というものを自立支援という観点においていたのが介護保険制度です。
財務省の今回の提言というのは、介護保険の理念を根幹から崩しかねない発言ではないでしょうか・・・。
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