「高離職率の事業所を公表」の意見も-厚労省・福祉人材確保対策検討会
介護人材の確保対策などについて検討する厚生労働省の「福祉人材確保対策検討会」(座長=田中滋・慶大名誉教授)が20日、2回目の会合を開いた。この日は、各委員が示した対応案を厚労省が整理し、再提示した。対応案の中には、産業別最低賃金の創設や、離職率が高いままで改善が見られない事業所の公表などが含まれている。
前回会合で厚労省は、介護人材を確保する上での課題と解決に向けた論点を提示。それを受け、各委員は対応案を示していた。
厚労省が整理した対応案のうち、「潜在介護福祉士」の再就業に関しては、介護福祉士への報酬上で、より評価することが示されている。また、再就業しやすい環境を整えるため、「潜在介護福祉士」に対する継続的な情報提供や研修体制の構築なども提案された。
小規模事業所での人材育成を進めるための対応案としては、複数の事業所による共通のキャリアパスの構築が示された。
雇用管理面での問題を理由に離職する介護職員が多い点に対しては、介護分野における産業別最低賃金の創設や、短時間労働者への社会保険適用拡大が提案された。さらに、高い離職率が何年も続いている事業所については、その名前を公表する制度の導入も提案された。
この日の会合では、関係団体や事業者からのヒアリングも行われた。上智大大学院で学びながら小規模多機能型居宅介護のスタッフとしても働く森近恵梨子氏は、介護は学生にとって人気のアルバイトになる可能性があるとした一方、「本当に若者が心から仕事を楽しめる現場は、まだ少ないのではないか」と述べた。また、介護労働安定センターの関係者は、介護事業所で雇用管理を改善する上でのポイントとして、▽経営理念や経営方針を職員に提示する▽組織内のコミュニケーションの醸成▽中間管理職の育成―を挙げた。
福祉人材の確保のための検討会が行われていますが、
そこで、高い離職率の続いている事業所の名前を公表する制度についての提案があったようです。
人手不足の事業所にはますます人が集まりにくくなるわけですから、
顔を真っ青にしている事業者の方もいるかもしれませんね。
離職の原因は様々でしょうけれど、
最も残念なのは人間関係・コミュニケーションから退職するというケースです。
離職の原因などを調査しても反映されにくいのがこういったもので、潜在的にはかなり大きなウェイトを占めているのではないでしょうか。
一番簡単に改善できそうで改善ができない問題ですね。
各都道府県で人材確保のために介護職員初任者研修の資格取得支援などを行っていますが、
まずは福祉の仕事から流出していく人材を減らしていくことこそが重要なので、
待遇改善やキャリア支援などに力を注いでほしいですね。
最近のコメント