訪問介護の特定事業所加算
利用者負担増で撤廃求める
東京都青梅市の石川静(きよし)さん(七一)は、介護報酬改定で創設された訪問介護の特定事業所加算を算定している事業所を利用すると、利用者負担が一~二割増しになるだけでなく、限度額内で利用できるサービスも減りさらに負担が増えると訴え、国や政党に文書を送った。「不条理なこの制度を撤廃すべき」と繰り返し制度に対する異議を唱えている。
石川さんはC型肝炎、水腎症のほか、せき髄動静脈奇形などによる下肢まひもあり、要介護5の状態。二つの訪問介護事業所と契約して一日四回、一回三〇分~一二〇分の訪問介護を利用している。毎月限度額ギリギリまで利用し、超えることもしばしばある。
しかし今年四月、主に利用しているA事業所が、新設された特定事業所加算を取得したことから、基本単位数が一〇%アップ、それが石川さんの利用者負担として上乗せされ請求されてきた。
四月分の請求額は、もう一つの事業所は三月分とほぼ同額だったが、A事業所は二万二五〇七円増えて四万八八〇六円にアップ。限度額を超えた全額負担分も含まれている。合計すると約六万円となり、なんと三月分の一・六倍となった。石川さんは請求書を見て驚いたという。
4月の介護保険改正で特定事業所加算がスタートしました。
事業所内のヘルパーのなかでの介護福祉士の割合、
重度利用者の割合、
職員研修や健康診断などの実施、
などといった基準をクリアすることで、特定事業所加算が発生し、
事業者は介護報酬の基本単位に10~20%の「ボーナス」を受けることができます。
が、問題は、その出所です。
この「ボーナス」。
通常の介護報酬と同様に、自己負担分の1割はサービスを受ける利用者からになります。
つまり、加算を受けている事業所からのサービスは割高になってしまうのです。
優良なサービスだから割増分も喜んで払う、という利用者さんがどれだけいるでしょうか。
それに、人的要件での割り増しにしても、事業所内の介護福祉士の割合であって、
実際に介護福祉士がそのお宅でサービスを提供しているわけでなくても割り増しには変わりありません。
利用者のためにサービスの質を向上させるというのがひとつのテーマであったはずの特定事業所加算。
が、優れたサービスの結果、負担増となり利用者さんを苦しめています。
これって、いったい、誰のためなの・・・?
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